みなさん、こんにちは。今週も『中国法務の扉』への訪問、ありがとうございます。名古屋は今日も雨で、梅雨入りの気配がします。私は超天然パーマなので、朝起きた時の髪の毛の状態で、その日の天気が分かります(天然パーマの皆さんは深く頷いているはず)。
私が住んでいた天津は年間を通して雨は少なかったですが、少しまとまって降るとすぐに数十センチの深さになるという状況で、何度か恐ろしい目に遭いました…。タクシーで帰る途中に豪雨になり、たくさんの車がプカプカ浮いているそばを通りながらやっと家に到着したときは、ホッとしてちょっと泣きました(その後、「水に浮く」ことが売りのリュックサックを購入しようか本気で検討しました)。
雨はきらいではないですが、続くと気分も滅入りますので、できるだけ明るい色の物を身に着けるなど、気分をあげていきたいと思います。
さて、みなさん、突然ですが質問です。「総合労働相談( 都道府県の労働局、 駅近隣の建物などで実施されています)で最も相談件数が多いテーマは何でしょう?」
答えは…「いじめ・嫌がらせ」です。
民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数の全てで、「いじめ・嫌がらせ」がトップになっています(令和2年7月1日発表・厚生労働省「令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況」より)。つまり、パワハラですね。
先週頭出ししたことですが、2022年4月から中小事業主にもパワーハラスメント防止措置が義務化されます(努力義務だったものが大企業と同じ「義務」になります)。周りでも、少しずつ「何をどのように準備すればよいか」という話が聞かれるようになりました。同僚とも、弁護士がどう関わるのがベストなのかなど議論を進めています。
具体的にやるべきパワハラ防止措置とは何か…というと、こんな感じ↓↓です(令和2年厚生労働省告示第五号&厚生労働省資料より)。
◆ 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
① 職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、 労働者に周知・啓発すること
② 行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、 労働者に周知・啓発すること
◆ 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
③ 相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
④ 相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること
◆ 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
➄ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること
⑥ 速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと
⑦ 事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと
⑧ 再発防止に向けた措置を講ずること
◆ そのほか併せて講ずべき措置
⑨ 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、 その旨労働者に周知すること
⑩ 相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取扱いをされない旨を定め、 労働者に周知・啓発すること 職場におけるパワーハラスメントの防止のために講ずべき措置
…げっそりした社長や医院長らのお顔が目に浮かびます…(苦笑)。特に準備に時間がかかる&会社内での検討だけでは難しいと思われるのは相談窓口の設置と、そのマニュアル化、そして、事案発生後の調査体制の構築・その実施ではないでしょうか。この辺り、我らオリンピア法律事務所<ハラスメントレスキュー部隊(まだ仮)>(夜中のテンションで話したので正確な記憶が…)がしっかりサポートさせて頂きますので、お気軽にご相談ください(まとまったご案内を作れればよいなと思います)。
ちなみに中国でも、今年から施行された民法典の中でセクシュアルハラスメントの規定が入ったと話題になっていました。
企業や機関だけでなく学校も、セクハラの予防や苦情受理、調査の措置を講じ、職権や従属関係等を利用したセクハラを防止し、制止する義務があることが明文で定められています(民法典1010条)。
最近は、在宅での仕事が増え、「リモートハラスメント(りもはら)」などという言葉も登場するようになりました。リモートだからこそ必要なコミュニケーションもあり、何でもかんでも「ハラスメントでは?」と心配しなければならないような社会を私は望みませんが、国や時代、働き方が変われば「ハラスメント」の内容も確実に変わります。
<対面>なら許されていたことがリモートだからこそ問題になるケースもあるということを念頭におき、弁護士とたくさん意見交換して頂ければと思います。
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それでは、来週(今週?)もごきげんに、そして元気に過ごしましょう!!